先週から1週間ばかりスルタンホテルというところのドミトリーに泊まっている。
薄暗い通路を通ってビルの奥に入り、ロープが切れてもう2度と浮上しなくなったエレベーターのまわりをまわるように階段を上っていくとその宿がある。私の部屋は2階にあるけど、階が上がるごとに30円ずつ値段が下がる。
部屋の掃除してるところは一度もみたことがなく、狭い室内に7つのベッドがぎっしりつめこまれている。毛布にはダニとノミがいるらしく、体に毎日1個か2個ずつ赤い斑点ができていく。毎晩蚊の襲来があって、顔に虫除けを塗り忘れて寝ると起きたとき怪物になっている。室内はほこりっぽいので夜中に咳がとまらなくなる。窓をあけると階下のカフェの騒音が部屋にひびきわたる。
でもシャワーはお湯がたっぷり出るし、トイレはわりかし清潔な洋式トイレが3つもある。スタッフは明るくて信用できるしキッチンがあるので自由に料理もできるしお茶もわかせる。宿泊料はひと晩240円しかかからない。受付で電話が借りられるので、市内通話でインターネットにもアクセスできる。ロビーにはいつもツーリストがたまっていて話すことにはこと欠かない。同じビルの上の階のホテルよりはいくぶん高いけどたった1階ぶん階段をおりただけで外に出られるのも便利でいい。
ホテルを出るとすぐににぎやかなフルーツや街に出る。歩いて3分以内にいくつもおいしい食堂があるし、周辺では30円かそこらでとってもおいしいアイスクリームを売っている店がいくつもある。店先に七面鳥を放し飼いにしてる肉やとか、ジュースやラーメン売ってる乾物やも近くにある。夜はとりたてて寒くもなく、昼間もとりたてて暑くならない。
天国だ。
と、思うようになった。一年という歳月っておそろしい。
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