旅のはじまり
 シンガポールは世界に知られた観光スポットの宝庫だ。

 ボートキーに、クラークキー、セントーサ島に、ナイトサファリ。そして欠かしてならないのはタングリン警察と大使館だ。えっ、警察は観光スポットにはいらない?入るでしょう?だって私は最初にシンガポールに来て初日に行ったもの。

 私がシンガポールを初めて訪れたのはいまから約1年前。因縁の出会いだった。
 出発前夜に食べたカニがいけなかったらしく、絶不調の状態で入国した私。妹と後輩を連れていたので、熱と腹痛で世界がぐるぐる回るなか、リトルインディアに出かけた。

 美しいヒンズー寺院などをみた後に、ズジャオセンターという、まあよく言えばショッピングモールみたいなところで買い物をしていたら、ふと気づくと鞄から、財布が消えてなくなってたのだ。安全な街だと思って完璧に油断していたのだった。クレジットカードもパスポートも現金も全部その中だった。

 普段なら、出発前夜は安全対策や緊急連絡先のチェックに余念がない私が、そのときに限っては具合が悪くてパスポート番号の控えからコピーから全て忘れてきていた。そんなわけで警察で盗難届を出し、大使館のご厄介になったので、このふたつのスポットは忘れられない場所なのだ。

 考えてみるとそんなドジを踏むやつがいま世界一周などとあちこちを練り歩くということは、世界中に偽造パスポートをばらまいているようなものなので非常にはずかしく身の程知らずなことに思えるけれど、いろいろあって私はふたたびシンガポールの敷居をまたいだ。大使館などは前回じっくりみたので今回は訪れなくてすむようこころがけたい。今回は敗者復活戦のつもりで用心深く歩くことにする。

 今、わたしはシンガポールきってのショッピングストリート、オーチャード通りの東端に位置するYMCAにいる。ちょうどいま、コーヒーラウンジで、ヨーロッパ人の奥さんが、お椀でなく平たいお皿におかゆを盛ってお皿じゅうに広げて「どうやって食べるんだろう」と顔をしかめているのをしり目にたっぷり2杯(もちろんお椀に)おかわりして食べてきたところだ。燃料も満タン。さあ、これから街に繰り出そうと思う。

 さて記念すべき第一回アップデートということで、まだなにも起こっていないのにとりあえず日記を書いてみた。そのため思い出話なんだか日記なんだかわからないことになってしまったけれど次はちゃんとここで起こった出来事を書く見込み。次回のアップデートをお楽しみに。

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