| ホテル探しもラクじゃない | ||
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今日はホームページをアップしたときの苦労バナシをひとつ。
マレーシアに入国したら、観光よりもまずホームページのアップをしたいと思っていた。アップしようと思ったデータもたまっていたし、インドネシアの写真がきちんと送れなくて半分切れたままのはずだったし。入国してさっそく電話のあるホテルを探した。
フォーチュンホテルは、繁華街にあってなかなかきれいな門構えだった。マレーシアのホテルの相場はよくわからないけれど、電話がついて3000円以下なら、シンガポールに比べると格段安い。朝9時にチェックインだったから、午前中いっぱいでホームページをアップして、のんびり観光もできるはず。たいして考えずにチェックインした。
でも部屋は、きれいな門構えとはうってかわったみすぼらしい感じだった。多分、最近受付だけ改装したんだろう。ちょっとずるい。室内は狭いし、窓からは向かいのたてものの屋根に山ほど積まれたゴミがまる見えだし、最初に入った部屋は窓の鍵がしまらなかった。エアコンの室外機づたいに歩いて誰か入ってこれそうな気がして、インド人の受付のおじさんが「こんなん平気だよ。大丈夫だよ。」というのを「やだ。こわいからやだ。」と繰り返し頼んで窓のしまる部屋にかえてもらった。ところがこの部屋は洗面所のパイプがこわれていて常時水が流れっぱなし。でもとにかく電話があればいいとそのときは思ってた。
一応そこらを散策したあと、電話機からケーブルを抜いて早速接続を試みる。でも?いくらやってもうまくいかない。何度ためしてもインドおじさんが出てしまうのだ。インドおじさん、出ないでよ。と頼んでも、出ないと電話かけられないだろ、って言われてしまう。このホテルはオペレータを介さないと電話がかけられないのだった。ダイレクトダイヤルっていうのはどこでも必ずあるものじゃないらしい。
受付でアクセスさせてもらおうとか、いろいろ方法を考えて交渉したけれど、受付のインドおじさんは聞き入れてくれない。受付の電話機からなら確かにアクセスできるけど、何分間どこにかけたか確認できないというのだった。「コンピュータは俺はよくわかんねえけどよ。お前さん、コンピュータ使いたいっていうならそうチェックインのときに言やあいいんだよ。市内通話したいって言うから、電話ならあるよって言ったんだよ。それでダメならダメだよ。」
パソコンを使ったことのないひとに、インターネットを説明するのって、ものすごく難しい。でもどうしても今日アップしたかったから、じゃあチェックアウトする、と言ったら、「3時間部屋をつかったから44リンギットな。」とおじさんはおどかすのだった。一晩77リンギットのくせに、3時間で44リンギットってひどくない?でも値切ることはできなかった。考えてみると洗濯物を出しちゃったからもう移動することもできなかった。この街を出たらアクセスポイントはしばらくない。仕方ない、明日ほかのホテルでアップしよう。
そんなこんなで今日はあせりまくって、めちゃくちゃ心細くなってしまった。デジカメの電池のためにちゃんと海外用を、と吟味して持ってきた充電器も壊れちゃった。疲れもたまってるし、せっかく早くチェックインしてゆっくりするつもりが、あてがはずれたってのもがっかりだった。できそこないプログラマのくせに、海外からホームページをアップしようなんて10年早いんじゃない?・・・自分で自分をイジめてしまう。
このままだと翌日ホテルを移るまで落ち込みそうだった。翌日移っても、そこの電話もダイレクトダイヤルかどうかわからないし。考えまくって、とりあえず今日は下見のつもりでこのへんの大きいホテルを回ることにした。大きいホテルって、ビジネスマンのお客のために「ビジネスセンター」という、パソコンやファックスを使わせてくれる設備があるのを見たことがある。もしかしたら泊まり客じゃなくても使わせてくれるかも?TシャツにGパンのみすぼらしい格好で、そういうホテルがビジネスセンターを使わせてくれるかわからなかったけど、頼む価値はありそうな気もした。
まず1キロくらい歩いてパンパシフィックホテルに入って、ビジネスセンターでインターネットを使わせてもらえないかきいたら、泊まり客じゃないのにすごく丁寧な応対だった。でもここも全館、オペレーターを通さねばならないから、インターネットは使えないということだった。残念。でもインターネットを知っているひとがいたっていうことが救いだったし、泊まり客じゃなくても、ビジネスセンター自体は使わせてくれそうな手応えがあった。
ほかにも何軒かあたったけど、ビジネスセンターはなく、もうあきらめようと思って最後に宿の近くの黄色いホテルに入ったら、これまたすごく丁寧な応対。アシスタントマネージャが出てきて、えらくすんなり
このアシスタントマネージャのシャァさんっていうのはほんとに紳士的なひとだった。
とにかく接続環境を提供してくれたというだけでも御の字だったし、落ち込んであせっていた気持ちがこれで救われた。なんていうか、ここに来れば相談できるひとがいる、っていう感覚はとても安心するのだ。
ビジネスセンターの利用料は30分で200円くらいだった。フォーチュンホテルをチェックアウトしていたらどうなっていただろう?シャァさんに感謝する気持ちでいっぱいになった。
もう日が暮れる時間になっていて、ホッとしたら、今日は朝のラーメンしか食べてなかったことに気がついた。マレーシアはイスラム教国家だ。イスラム食堂に入って、ごはんにマトンのカレーとインゲンのスープをかけてもらって、チャイもたのんで200円くらいだった。席につくとすぐウェイターのおじさんがやってきて、飲み物は?と聞くので、チャイをたのんだ。おじさんはたぶん歳はわたしと同じくらいだと思うけど顔の具が見えないくらいヒゲが生えている。戻りがけ、彼は私に「ジャパニーズ?」と聞いた。うなずくとうれしそうに、ヒゲのむこうから「アリガトゴジャイマース」と言った。浮くも沈むもちょっとのことなんだ。10年早いなんて思っていたことも、もうすっきり忘れていた。旅は続けられそうだ。
ちなみにこの晩フォーチュンホテルに戻ると、テーブルライトのコードが切れていて室内が暗いのでそのように受付に言いにいった。受付にはこんど中国系のおじちゃんがいて、「きみはいつチェックインしたんだい?朝はそのライトはついてたかね?ついてないだろう。テーブルライトは時々そういうことがあるんだよ。故障だね。残念だね」といってニカニカ笑うのだった。「残念だね」っていうのは"sorry"って言ったんだけど、ごめんねっていう感じじゃなくて、「気の毒にね」とか「運がなかったんだね」みたいな、他人事みたいな言い方だった。がんばれば隣の部屋のと取り替えてくれたかもしれないけど、ねばるのもめんどくさかった。
この宿がサイテーである理由はこればかりではない。夜になったら裏の方でなんかマイクを使って演説が始まって、ちょっとで終わるのかと思ったら延々!延々延々延々!もう1時間か2時間くらいは続いてる。ひとりのひとがひっきりなしにしゃべってるのだ。イスラムの説教なのかもしれないし、なにか出し物みたいなものかもしれないけど、とにかくよく声がもつものだ。まったく具合悪くなるぐらいうるさいな。サービスで77リンギットなんていわれたけど、ぼられたかもしれないと思う。でもいいんだ。今日はホームページをアップできたから!少し高いけど明日はあの黄色いホテルに行ってしまおうかな。ちょっと元気つけるために。
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